オートキャド(AutoCAD)が持っている機能のひとつである「ブロック書き出し」の操作方法について、今まで時間をかけてお話しをしてきました。

コマンドの考え方から操作方法までの作業については、これで一通り説明が終わったと思います。

後は他のコマンドと同じく、作図作業の中で繰り返し使用していくことによって、その操作スピードと精度を磨いていくことになります。

何度も同じ操作を繰り返すことによって、慣れによって作図がスムーズになることと、手順に不便を感じることによってもう少し効率の良い作業を探すようになること。

これが練習で繰り返し作業をすることの効果です。地味な作業かも知れませんが、作図スピードを早くする為には避けて通れないものではないでしょうか。

そうした繰り返し作業をしていると気が付くことだとは思いますが、今回は書き出すブロックの名前についてもう少し深く考えてみたいと思います。

■ダイアログBOXの欠点
オートキャド(AutoCAD)を使って図面を作図していく中で、今回お話ししたブロックを使う場合、基本的な操作の流れは以下のようになります。

①ブロックとして書き出し(WBLOCK

②書き出したブロックを挿入(INSERT
以前もお話しをしましたが、ブロックという機能を使うのは、何度も同じ図形を作図しなくても済むようにする為です。

その為にブロックとしてファイルに書き出しをしておき、必要なときにすぐ呼び出すことが出来るようにしておきます。

これは確かに便利な機能ですし、だからこそ時間をかけてやり方を説明してきた訳です。
では、その作業にかかる手間はどうなんでしょうか。

INSERT(ブロック挿入)コマンドを使う際には、当然ブロック名を指定するすることになり、その際にはダイアログBOXが表示されることになります。

ダイアログBOXが表示されるのは確かに親切で分かりやすいです。それがダイアログBOXの大きな特徴である訳ですから。

ただし、このダイアログBOXも万能ではなく、もちろん欠点も存在するんです。

一般的な操作では、ダイアログBOXの表示 → 各所設定 → 「OK」ボタンをクリック という操作手順になる訳ですが、操作に時間がかかってしまうという欠点を持っています。

ダイアログBOXには、設定一覧を表示させて分かりやすくするという目的があるのですが、その「設定一覧を表示」に若干の時間がかかるということです。

これは些細な差に感じるかも知れませんが、オートキャド(AutoCAD)で図面を作図している中で何度も繰り返し操作をしていると、その差が結構大きなものになってきます。

要するに、ダイアログBOXは確かに分かりやすい操作方法ではあるものの、少なくとも最速の方法ではないということが言えるでしょう。

オートキャド(AutoCAD)を覚え始めた時にはそのやり方でも構いませんが、慣れてきたらもう少し早い方法に移行していくことをお勧めします。

■ブロック挿入の場合
ダイアログBOXが持っている特徴についてはよく分かったと思いますが、これをブロック挿入の場合で考えてみましょう。

何度も使う図形を毎回ブロック挿入する際に、その都度ダイアログBOXが表示されるのが、効率の良いやり方なのか?ということですね。

コマンドの流れを見て頂ければ分かりますが、ダイアログBOXを表示してまでして設定するのは、実際のところブロック名だけなんです。

もちろん角度や尺度なども設定出来るのですが、それはオートキャド(AutoCAD)の画面上で指定した方が分かりやすいので、あまり使うことはありません。

ですから、私の個人的な意見としては-INSERT(ブロック挿入)コマンドの方を強力にお勧めしています。

ダイアログBOXを表示させないでコマンドがスムーズに進めば、それに超したことはないという考え方です。

ブロック書き出しの操作というか、ブロック挿入に関しての話になってしまいましたが、ここまではよろしいでしょうか。