前回はオートキャド(AutoCAD)のコマンドをスムーズに使いこなす為の話をしました。

ダイアログBOXは便利ですし分かりやすいのですが、作図スピードを求めていくと邪魔になる場合もある、ということですね。

作業の効率化を突き詰めていくと、時には分かりやすい機能までそぎ落としていく必要が出てくるんです。

どちらを選択するかは作図者の自由ではありますが、スピード重視の考え方をしていくと、きっと同じような結論に至ると思います。

また、これは全てのコマンドに共通して言えることでもあります。

ですから、ダイアログBOXが省略出来そうなコマンドがあれば、私は多分その都度こうした話をしていくでしょう。

今回のはブロック挿入コマンドを効率よく行う為に、WBLOCK(ブロック書き出し)の段階から出来ることについてお話しをしていきたいと思います。

■ブロック名の必要性
前回はダイアログBOXを表示させないブロック挿入コマンド-INSERTをお勧めしてきました。

-INSERT ブロック名を入力 または [一覧(?)]:

「-INSERT」コマンドを開始すると、コマンドライン上に上記のような表示が出て、その場でブロック名を入力することになります。

つまり、当然ではありますが、ダイアログBOXを表示させないでブロック名を指定する必要がある訳ですね。
この手順が、ダイアログBOXを表示させる方法に比べてどうなのか?がポイントになってきます。

ダイアログBOXを表示させた場合、一覧からブロックを選択しますのでなるべく分かりやすいブロック名が望ましいです。

でも、ダイアログBOXを表示させない手順の場合、少し勝手が違ってきます。

ダイアログBOXを表示させない手順を効率よく行う為には、ブロック名を出来るだけ短く簡潔にする必要があるんです。

ファイル名を短く簡潔に。今回一番お伝えしたいのはここです。

ブロックとしてファイルに書き出す場合に、日本語のファイル名にしておけば、後々どんなブロックなのかも分かりやすくて整理も簡単です。

ですが、ダイアログBOXを表示しないでブロック挿入をする場合には、わざわざ日本語入力でブロック名を指定しなければなりません。

オートキャド(AutoCAD)は石頭ですから、少しでもブロック名を間違えたりすると「そのようなブロックはありません」と言われてしまいます。

つまり、ブロック名を長くすれば長くする程入力に手間がかかってしまい、なおかつ入力間違いの危険性も高まるということになります。

例えばブロック書き出しの解説では「省略記号」という名前のブロックにしましたが、そうするとブロック挿入の度に「省略記号」と入力することになってしまいます。

これはあまり効率の良いやり方ではありません。

そこで、書き出すブロック名を例えば「S」などにしてしまうと、ブロック挿入の度に「S」と入力するだけで操作は完了します。

ダイアログBOXを表示させないで操作を行うことには、こうしたメリットがあるんですね。

ブロック挿入の操作をを何度も行う場合、かかる手間の差というのは非常に大きなものになるのではないでしょうか。

次回はもう少し具体的な例を示し、どれくらい効率が良いかを確認していきたいと思います。