前回はオートキャド(AutoCAD)の設定として「SNAP」コマンドの概要とその設定方法について、途中まで説明をしてきました。

「SNAP」コマンドの細かい設定について、何となく分かってきたでしょうか。

今回で「SNAP」コマンドの解説は終わりになりますので、残りの機能と最終まとめ、及び関連コマンドについてお話しをしていきましょう。

■操作の手順

①コマンドの開始
②ダイアログBOXの表示
③スナップON・OFFの切り替え
④スナップ間隔の設定
⑤スナップの角度を設定
⑥基点の指定
⑦スナップのタイプを設定

前回はスナップのタイプとして「等角スナップ」までお話しが進んできました。今回はその続きですね。

●POLAR SNAP
なぜこの項目だけアルファベットなの?というツッコミはさておき、この項目にチェックを入れると、今まで設定してきた項目が全てグレーになってしまいます。

今まで覚えてきた設定が「なし」になってしまう代わりに、左下の「極間隔」が設定出来るようになります。
この設定は極トラッキングで設定した角度に沿って、「極間隔」で指定した数値の間隔でスナップを行います。

上手く説明出来ずに申し訳ありませんが、極トラッキングの角度を「30度」とし、極間隔を「2」に設定した場合は以下のような感じになります。

POLAR SNAP

極トラッキングで角度の補正を行い、その角度に沿って指定した距離のスナップをかける、というような設定です。

これは非常に使いどころが限定されてくるとは思いますが、「こうした設定もあるのか」程度でも良いので覚えておくことをお勧めします。

■まとめ
これでスナップについての説明は終わりです。SNAPという単語には色々な意味がありますが、その中には「パクッと噛みつく」とか「飛びつく」とか言った意味があります。

オートキャド(AutoCAD)の画面上で、指定した点に「飛びつく」などと言った意味があるのではないかと勝手に思っています。

雰囲気としては、まさにそんな感じではないでしょうか。割と使いどころの難しい設定ではありますが、場面によっては非常に重宝するコマンドだと思います。

ただ、ひとつ難点を挙げると、カーソルの動きが限定されている為、作図がやりにくく感じるという点があります。これは結構気になります。

確かに線を引く際にはカーソル位置を限定する必要もあるでしょう。

けれど、オブジェクトの選択をする際には、わざわざカーソルの動きを限定する必要がはたしてあるのでしょうか。

私の場合、そうした部分が気になってしまい、スナップ機能は正直なところあまり使っていません。

便利な機能と不便な部分を比較すると、不便さが勝ってしまうように感じる、というのがその大きな理由です。

これはオートキャド(AutoCAD)の作図者によって好みが分かれる部分だと思いますので、このサイトでは私の好みに関係なく機能を紹介していきます。

ただ、常に作図者として「どうやるのが便利で早いか」を意識しておくのは大切なことで、その意識こそがスキルアップの元であることは覚えておいて頂きたいと思います。

■関連コマンド
このコマンドに関連するのは、やはりGRID(グリッド)でしょう。

グリッドとスナップの間隔を合わせておけば、画面に表示されるグリッドに合わせてカーソルが移動するようになります。

そうすることによって、視覚的にスナップをとらえることが出来るようになり、作図もスムーズに進むはずです。

また、極トラッキングの設定も場合によっては大きく関係してきます。
いずれの設定も、スナップとあわせて覚えておくことをお勧めします。