SCALE(尺度変更)-1
■概要
SCALE(尺度変更)コマンドは、オートキャド(AutoCAD)のオブジェクト尺度を変更するコマンドです。
「尺度を変更する」という表現はかなり分かりにくいですよね。
オートキャド(AutoCAD)のヘルプではこうした表現になっていますが、もう少し親切な表現をして欲しいものです。
「尺度を変更する」というのは、要するに「オブジェクトの拡大・縮小をする」ということです。
オートキャド(AutoCAD)を使って図面を作図していると、オブジェクトの大きさを変える機会は結構あります。
ですから、当然この「SCALE」コマンドもよく使うようになるコマンドだと言えるでしょう。
という訳で、これから「SCALE」の操作方法を順番に説明していきます。
■操作の手順
①サンプル図面の用意
「SCALE」コマンドは元々作図されているオブジェクトの大きさを変更する「編集系」のコマンドです。
つまり、何も作図されていない状態では効果を発揮しないということですから、下図のように簡単なサンプル図面を用意しました。
今回はこの図面内にある円を拡大してみましょう。
②コマンドの開始
オートキャド(AutoCAD)がコマンド待ちであることを確認し、コマンドライン上に「SCALE」と入力して「Enter」を押します。
使用頻度は高めですから、短縮コマンドに割り当てて使用することをお勧めします。
ただし「S」は割と競争率の高い文字です。
たくさんあるコマンドの中から、使用頻度の高いこのコマンドを「S」に割り当てても良いですが、もうひとつこ候補としてSTRETCH(ストレッチ)というコマンドがあります。
どちらを「S」に割り当てるかは作図者の好みによる部分が大きいですから、出来れば両方のコマンドを調べた後で決めて欲しいと思います。
ちなみに私は「S」をSTRETCH(ストレッチ)に割り当てていて、SCALE(尺度変更)コマンドはなぜか「W」に割り当てています。
どちらも重要なコマンドですから、出来るだけ手間をかけないで使いたいという思いがあったのだと思いますが…なぜ「W」なのかは思い出せません。
この設定をしたのはずいぶん昔ですが、もうその設定に慣れきってしまいましたので、今では何の違和感もありません。
「慣れ」と言ってしまえばそれまでですが、「W」では少し分かりにくいですから、「SC」や「SS」などに割り当てる方が良いかも知れませんね。
③オブジェクトの選択
オブジェクトを選択:
コマンドを開始すると上記のような表示が出ますので、ここで拡大・縮小したいオブジェクトを選択してあげましょう。
たくさんのオブジェクトを一気に選択したい場合には交差選択がお勧めです。
でも今回は円をひとつ選択するだけですから、オートキャド(AutoCAD)の画面上からそのまま円をクリックすることにします。
拡大・縮小したいオブジェクトを選択したら「Enter」を押して次に進みましょう。
(次回に続く…)