前回はオートキャド(AutoCAD)のコマンドであるINSERT(ブロック挿入)の操作手順として、ブロック名を指定するところまでお話しが進んできました。

今回はその続きと言うことで、選択したブロックを画面上にどの様に配置するかの設定を行います。

設定を行うと言いながら、実際には画面上で指定することの方が多いのですが、まあとりあえずやってみましょうか。

■操作の手順

①コマンドの開始
②ダイアログBOXの表示
③ブロック名の指定
④図面ファイルの挿入

前回までで上記の手順までお話しをしてきました。今回はその続きと言うことで、まずはブロックの挿入位置を指定してみましょう。

⑤ブロック挿入位置

ブロック挿入位置

ブロック名を選択すると、ダイアログBOXは上記のような状態になります。今回設定するのは画面中央の左側にある「挿入位置」という項目です。

先程もお話ししましたが、ここでは「ブロックをどこに挿入するのか」を設定します。

X・Y・Zそれぞれの座標を入力することが出来ますので、ここでそれぞれの座標を入力して…と言いたいところですが、座標入力によるブロック挿入位置の指定はまず使いません。

なぜなら、私たちは人間なので、作図している図面の座標を全て把握しながら作業を進めている訳ではないからです。

少なくとも私は原点(0,0)がどこかくらいしか意識していません。他の人も私と同じではないでしょうか。

従って、ここでは座標を入力するのではなくて、座標の上にある「画面上で指定」にチェックを入れることにします。

そうすると、下図のように座標が入力出来ない状態に変わりますが、それで別に困ることはないでしょう。

画面上から指定

⑥尺度と回転
次に、ブロックをどんなサイズと角度で入力するかを設定します。

別にここで厳密に設定しなくても、オートキャド(AutoCAD)の画面上に配置してしまえばSCALE(尺度変更)ROTATE(回転)で編集することが出来ます。

なので、ここでは挿入位置と同じく「画面上で指定」でも良いですし、ブロックの尺度や角度を指定しても構いません。

分かりやすいのは「画面上で指定」ですが、今回は尺度をそれぞれ1倍とし、回転角度は0度と設定しておきましょう。

最初から尺度と角度が分かっていれば、わざわざ画面上で指定する時間を省略することが出来ますので、なるべくこうして数値を指定することをお勧めします。

⑦分解
後はダイアログBOXの一番下にある「分解」という項目です。

最初はここにチェックが入っていない状態ですが、挿入したブロックをブロックのまま使いたい場合にはチェックを入れないでおきましょう。

ブロックのまま使うというのは、以前にもお話しをしましたが、オブジェクトがひとまとまりになっていて選択しやすい状態になる、ということです。

そのかわり、かたまりになっている為、個別に編集出来ないという欠点もあります。

今回紹介した注意喚起ブロックの場合で言うと、作図した円の中からひとつの円だけ削除することは出来ない、と言うことです。

…そんなことをする理由もないので、ここでは「分解」にはチェックを入れないでおくことにします。
ここにチェックを入れる状況というのは、④で図面ファイルを丸ごと挿入する場合になるでしょう。

図面ファイルを挿入した後で、改めて細かい編集をすることになるはずですから、その際にはひとかたまりになっていると困るはずです。

ただ、この項目もEXPLODE(分解)を使えば後から出来ますので、ここで必ず決めなければならない訳ではありません。

これでブロック挿入の準備は整いました。次回は実際にブロックを挿入する作業をしてみるのと、関連コマンドについてまとめてみましょう。