■概要
-INSERT(ブロック挿入)コマンドは、基本的な機能はINSERT(ブロック挿入)と同じくブロック挿入の機能を持っています。
同じ機能を持っているにも関わらず、どうしてわざわざ別のコマンドがあるのでしょうか。
理由は割と簡単で、ブロックを挿入するまでの手順が違う、というシンプルなものです。
オートキャド(AutoCAD)の基本的なお約束として、ダイアログBOXが表示されるコマンドの頭に「-」をつけると、ダイアログBOXを表示させないで同じコマンドを実行することが出来るというルールがあります。
さらっと簡単に書いてしまいましたが、これは非常に便利な機能ですのでしっかり覚えておくことをお勧めします。
オートキャド(AutoCAD)は分かりにくいとよく言われますが、こうした細かい配慮を見ると、そんなに不便なCADではないのではないかと思ってしまいます。
もちろんそれはオートキャド(AutoCAD)に慣れた人間からみたひいき目かも知れませんが…。
■操作の手順
「ブロックとは何か?」についての説明はINSERT(ブロック挿入)で行っていますので、ここでは実際の操作手順について説明していきます。
基本的なコマンドの流れは変わりませんので、特に困ることはないと思います。
①コマンドの開始
コマンド待ちの状態であることを確認し、「-INSERT」コマンドを実行します。
ブロック挿入の操作自体はよく使いますので、通常の「INSERT」コマンドと「-INSERT」コマンドのどちらをメインで使うか迷うところです。
どちらがより便利かという点についてはもう少し後でお話ししますが、少なくとも「INSERT」か「-INSERT」のどちらかは、短縮コマンド「I」に設定をしておきましょう。
②ブロック名の入力
-INSERT ブロック名を入力 または [一覧(?)] <>:
コマンドを開始するとコマンドラインに上記のような表示が出ますので、ここでブロック名をキーボードから入力しましょう。
「キーボードから入力?」と思われるかも知れませんが、ダイアログBOXが表示されないのがこのコマンドの特徴ですから、当然コマンドライン上で全てを設定することになります。
今回の場合は日本語入力をONにして「注意喚起ブロック」と入力します。
ただし、これはBLOCK(ブロック定義)コマンドを使ってあらかじめブロックを定義しておく必要があります。
何も定義していない図面で「注意喚起ブロック」と入力しても、当然何の効果もありません。
今現在作業しているオートキャド(AutoCAD)の図面内で定義されていないブロックは、当然ながら呼び出すことが出来ないということですね。
③挿入位置の指定
挿入位置を指定 または
[尺度(S)/X/Y/Z/回転(R)/プレビュー尺度(PS)/プレビューX(PX)/プレビューY(PY)/プレビューZ(PZ)/プレビュー回転(PR)]:
ブロック名を入力すると上記のような表示が出ますので、今度はオートキャド(AutoCAD)の画面上からブロックの挿入位置を指定しましょう。
カーソルに合わせて画面上にブロックが表示されるはずですから、どのあたりに挿入すればよいのかが分かりやすいと思います。
実際オートキャド(AutoCAD)の画面では、下図のような感じになると思います。
ブロックの線とカーソルの線が重なっているので、若干見にくい状態になっていますが、実際に挿入してみるときちんと入力されるはずです。
このあたりの手順は「INSERT」コマンドと同じですから、それほど違和感はないと思います。
ブロック挿入が完了するまでにはもう少し手順を踏む必要がありますが、少々長くなってしまいましたので、次回に続くことにします。