前回はオートキャド(AutoCAD)のコマンドとして「-INSERT」コマンドの概要をお話ししました。

また、その操作手順を途中まで説明しましたので、今回はその続きをお話ししたいと思います。

■操作の手順

①コマンドの開始
②ブロック名の入力
③挿入位置の指定

前回は上記のような手順まで説明をしてきました。ブロック名を指定して、挿入位置を指定したところまでですから、今回は尺度や角度の設定についてですね。

④X方向の尺度を指定
X 方向の尺度を入力するか対角コーナーを指定 または [コーナー(C)/XYZ] <1>:

挿入位置を指定すると上記のような表示が出ますので、ここでX方向(図面に対して横方向)の尺度を入力します。

表示の末尾に <1> と表示されていますので、特に数値を入力しないで「Enter」を押した場合は「1倍」でブロックが入力されることになります。

「1倍」というのも何だかおかしな表現ですが…要するにブロックを定義したときと同じ大きさで挿入ということです。

ここでどんな尺度を入力すればよいのかは、どのようにブロックを定義するのかによってかなり違ってきます。

オートキャド(AutoCAD)は基本的に実際の大きさで図面を作図していきますので、そのまま「1倍」でOKの場合が多いはずです。

また、文字を含んだブロックを1/1の縮尺で使えるようにしておき、作図する図面の縮尺によって尺度を使い分けるという方法もあります。

従って、ここで「2と入力してEnterを押しましょう」という話をすることは出来ません。
今回の場合は「1倍」で挿入したいので、そのまま「Enter」でOKです。

⑤Y方向の尺度を指定
Y 方向の尺度を入力 :

X方向の尺度を入力すると、今度は上記のような画面が表示されます。
ここでは引き続き、Y方向(図面に対して縦方向)の尺度を入力することが出来ます。

ここでそのまま「Enter」を押すと、先程指定したX方向の尺度に合わせてY方向の尺度も設定することが出来ます。

ブロックは通常縦と横の比率を変えないで使うことが多いです。今回の場合もそのまま「X方向と同じ」ですから、そのまま「Enter」でOKです。

⑥角度の指定
回転角度を指定 <0>:

Y方向の尺度を入力すると上記のような表示が出ますので、ここで挿入するブロックの回転角度を指定します。
特に角度の指定がない場合、そのまま「Enter」を押して「0度」でブロックを挿入することも出来ます。

ブロックを挿入する角度ですから、実際の話どんな数値でもありな訳ですが、今回の場合はそのまま「0度」で挿入しましょう。

角度の指定

もちろん上記のように、オートキャド(AutoCAD)の画面上から角度を指定しても構いません。その方が楽な場合もあるはずですから、やり方は臨機応変にいきましょう。

⑦コマンドの完了
角度を指定すると、オートキャド(AutoCAD)の<画面上にブロックが挿入され、コマンドは完了します。

これで「-INSERT」コマンドの基本的な流れは終わりですが、次回は「INSERT」コマンドとの違いについてもう少し詳しくお話ししたいと思います。

両者の違いを知って、実際の仕事でどのように使い分けるか。コマンドの流れよりも大事なことですから、ここでしっかりとやり方を掴んでおきましょう。