前回はオートキャド(AutoCAD)が持っている「ブロック」という機能の欠点というか、使っていて不便に感じるところについてお話しをしてきました。
挿入したブロックの色や線種を自由に編集するためには、「Byblock」という設定にしておく必要がある訳ですから、ブロック登録をする時からそうした意識を持っている必要があります。
「意識」とか書くと難しそうな気がしてしまいますが、まあ実際にはそれほど難しい話ではありません。
ただ単純に、ブロックとして登録するオブジェクトの色と線種を「Byblock」に設定してから登録をすれば良いだけですから。
なので、ぜひともこの機会に「Byblock」という考え方について覚え、ブロックを有効に使いこなして頂ければと思います。
■最高に便利な機能
オートキャド(AutoCAD)の機能である「ブロック」について、今までいくつかの注意点を説明してきた訳ですが、何となく理解は出来たでしょうか。
一気に全てを覚える必要はありませんので、ひとつずつ確実に覚えていき、自分で出来ることを増やしていくことをお勧めします。
ここで背伸びをして、オートキャド(AutoCAD)の機能全てを覚えてしまおうとするのも良いですが、あまりにも理想が高すぎても上手く行かないものです。
自分が人に説明出来るくらいの知識を得て、少しずつ自分のスキルを高めていけば良いのです。
…と、少し話が逸れてしまいましたが、今回は「ブロック」の便利な機能をひとつ紹介したいと思います。
■「再定義」という機能
オートキャド(AutoCAD)のブロックという機能を、以前ゴム印に例えてお話しをしてきました。
でも、ブロックにはゴム印にはない便利な機能があります。それが今回お話しする「再定義」という機能です。
再定義。要するに、登録したブロックをもう一度登録するという機能ですね。
この機能のどこが便利なのかというと、再定義した瞬間、既に挿入したブロック全てが再登録したブロック形状に変更されるという部分です。
私の拙い表現で、この便利さが伝わるかどうか、やや不安な部分もありますが…とにかく便利な機能なんです。
例えば、図面中に ▼ 印のブロックを150個配置していたとします。
でも、作図していくうちに ▼ ではなくて ● で表現をしたくなったとします。こうしたことは、オートキャド(AutoCAD)を使っていると結構あるものです。
そうした場合、もしブロックにしていない場合には、まず ● を ▼ に重ねて作図していき、その後 ▼ を消去するという手順で作業を進めていくことになります。
言うまでもありませんが、こうした作業は地味で退屈なものです。また、手作業ですから配置し忘れや消去モレなどのミスもあるでしょう。
でも、もし ▼ をブロックにしていた場合には、 ● を作図したあとでブロックの再定義を行うだけで一気に ▼ が ● に変更されます。
▼ の数が150個であっても、もっと多くて1000個だったとしても、その手順は同じです。
これは実際にオートキャド(AutoCAD)を使って仕事をしていく中で、非常に助かる機能です。
上図に活用をすると、余計な手間と時間をかけないで済みますので、ぜひともこの「再定義」という機能を使いこなして頂きたいと思います。
次回は、ブロックの再定義方法について、実際の図面で試しながらもっと具体的に説明をしていきます。