■概要
このシステム変数では、オートキャド(AutoCAD)の図面をメートル系で作図するのか、あるいはインチ系で作図するのかを設定出来ます。
オートキャド(AutoCAD)は日本以外の国でも使われているCADですから、こうした選択が出来るようになっているんですね。
あまり必要ではなさそうな設定ですが、こうした設定があるということだけは覚えておいた方が良いでしょう。
■操作の手順
①コマンドの開始
コマンド待ちの状態であることを確認し、コマンドラインにシステム変数「MEASUREMENT」を入力します。
このシステム変数はそれほど頻繁に使うことのないものですから、わざわざ短縮コマンドに設定する必要はないでしょう。
②システム変数の入力
MEASUREMENT の新しい値を入力 <0>:
コマンドを開始すると上記のような表示が出ますので、設定したい数値を入力して「Enter」を押しましょう。
表示の末尾に記入されている<0>が現在の設定ですから、上記の場合は設定が「0」になっていることになります。
この設定には「0」または「1」が入り、その内容は以下のようになっています。
0:インチ系で図面を作図する
1:メートル系で図面を作図する
③設定の完了
「0」または「1」と入力して「Enter」を押すと、コマンド入力画面に戻って設定は完了します。
■設定による変化
このシステム変数は「インチ系で作図するのか、メートル系で作図するのか」という内容の設定である訳ですが、これらの設定を変更することによって、具体的にはどんな変化があるのでしょうか。
インチ系で作図をしても、メートル系で作図をしても、オートキャド(AutoCAD)のコマンド自体は何も変化はありません。
変化するのは、作図中にどちらのハッチングパターンファイルと線種ファイルを使用するか、という点です。
オートキャド(AutoCAD)では、ハッチングパターンファイルと線種ファイルが「インチ用」と「メートル用」の2種類用意されています。
ハッチングのパターンも線種の内容も、インチ系とメートル系とでまるっきり同じなのですが、尺度の設定が違ってきます。
もう少し具体的に言うと、同じ「尺度1」に設定したとしても、使用されるハッチングパターンファイルの種類によってパターンの細かさが違う、ということになります。
インチ系で作図をしている場合、尺度「1」でBHATCH(ハッチング)を実行すると上図のようなパターンになります。
一方、同じ尺度「1」のハッチングでも、メートル系の場合は上図のようになります。この違いは大きいですよね。
もちろんハッチングを実行する範囲によって、見える細かさというのは違ってくる訳ですが、同じ尺度でここまで違うのですから、やはり設定を合わせておくことが重要になってきます。
同じ物件の図面を作図している際に、他の人と表現を合わせたくて「ハッチング尺度は20でやりましょう」と決めたとしても、それがインチ系なのかメートル系なのかで雰囲気が全く違ってくるのです。
合わせるのなら、この設定も含めて合わせなければならない、ということをここでは覚えておきましょう。
■関連コマンド
このシステム変数とセットで覚えておきたいのがMAESUREINITです。
どちらも同じような設定なのですが、MEASUREMENTは「今現在作図している図面の単位系を設定するシステム変数」になります。
一方のMEASUREINITは、「これから新規作図する図面の作図単位を設定するシステム変数」になります。
これらのシステム変数は微妙な違いしかありませんから、説明もほとんど同じになっています。
なので、この2つのシステム変数はセットにして覚えておくことをお勧めします。