前回はHATCH(ハッチング)コマンドの手順について、④角度の指定まで説明をしてきましたので、今回はその続きから始めることにします。

「突然何の話?」と思った方は、HATCH(ハッチング)-1を読みましょう。

■操作の手順
①コマンドの開始
②パターン名の入力
③尺度の入力
④角度の指定

コマンドの流れとして上記のような手順を踏んできた訳ですが、今回は次のステップとして「ハッチングをする範囲を指定」することになります。

⑤ハッチング境界線を指定
ハッチング境界を定義するためにオブジェクトを選択 または <ダイレクトハッチング>

ハッチングの角度を入力すると上記のような表示が出ますので、今度はハッチングを入力する境界を画面から指定します。

ハッチング範囲の指定

上図のようにあらかじめ境界線を作図しておけば、範囲の指定はとても簡単に終わります。私はいつもこうしてハッチングをしています。

もちろん「ハッチングをする範囲」ですから、その境界線は閉じている必要がある訳ですが、これは考えてみれば当たり前ですよね。

もしこうした手順が面倒だと感じたら、そのまま「Enter」を押して画面上からハッチング範囲を細かく指定しても構いません。

…が、やってみれば分かりますが、これは逆に手間が大きくてお勧め出来ません。なのでダイレクトハッチングの手順については説明しないでおくことにします。

⑥ハッチングの完了
ハッチングする範囲として、オブジェクトを選択して「Enter」を押すと、指定したパターン・尺度・角度でハッチングが実行されてコマンドは完了します。

ハッチング後の状態

■使いどころの難しいコマンド
今までハッチングの手順について色々と説明してきましたが、このコマンドではハッチングパターンの指定などが不便です。

パターン名を覚えておかなければならないので、少なくとも私は面倒だと感じます。
ですから、このサイトでは「HATCH」ではなくて「BHATCH」コマンドをお勧めします。

なぜ「BHATCH」をお勧めするのかというと、ハッチングの設定をダイアログBOX内で行えるからです。
実際にやってみると分かりますが、ダイアログBOX内で設定するハッチングは非常に分かりやすいです。

決して素早い操作ができる訳ではないのですが、やはり「わかりやすさ」というのは大きなメリットでしょう。

使用頻度の高い機能であるにもかかわらず、短縮コマンドに設定をしないのは、こうした理由があるからなんですね。

でも、この「HATCH」コマンドが全く使わないのかというと、決してそうではありません。

コマンドマクロを使いたい場合には、このコマンドが重宝するはずですので、存在を忘れないで頭の片隅に締まっておくことをお勧めします。