■概要
オートキャド(AutoCAD)の図面内に「ハッチング」を入力するコマンドです。
ハッチングというのは、元々は鉛筆でデッサンをする際に使う言葉で、線を何本も描いていって影などを表現するテクニックを意味します。
オートキャド(AutoCAD)の場合も、ほぼ同じような意味を持っていて、「決められたパターンでオブジェクトを塗り潰すこと」を意味しています。
塗り潰すパターンはオートキャド(AutoCAD)側で用意しているものを使っても良いですし、やろうと思えば自分でパターンを作ることも出来ます。
これはなかなか便利なコマンドで、使用頻度もなかなか高いのですが、短縮コマンドに割り当てる必要はないでしょう。
その理由はもう少し後で説明します。
■操作の手順
コマンドの流れは以下のようになっています。
①コマンドの開始
コマンド待ちであることを確認し、コマンドラインに「HATCH」と入力して「Enter」を押します。
ちなみに。ハッチングコマンドは「どの範囲を塗り潰すか」を指定する必要がありますので、下図のような四角形を今回はサンプルとします。
②パターン名の入力
パターン名を入力 または [一覧(?)/塗り潰し(S)/ユーザ定義(U)]
コマンドを開始すると、上記のような表示が出ます。
まずはオートキャド(AutoCAD)側で用意されている(あるいは自分で作成した)ハッチングパターン名を入力します。
デフォルトでは「ANSI31」というパターンが設定されていますので、今回はそのパターンをそのまま使うことにして「Enter」を押しましょう。
③尺度の入力
パターンの尺度を指定 <1.0000>:
パターン名を入力すると上記のような表示が出ますので、今度はハッチングの尺度を入力しましょう。
尺度というのは、要するに「ハッチングパターンの細かさ」です。尺度が少ない程ハッチングは細かくなり、尺度が大きくなるにつれてハッチングは粗くなります。
ただ、この「尺度」はパターンと90縮尺によって結構違ってきます。最初は様子を見る為に初期値の「1」にしておきましょう。
④角度の指定
パターンの角度を指定 <0>:
ハッチングの尺度を入力すると上記のような表示が出ますので、今度はハッチングパターンの角度を入力します。
通常の角度は「0」ですが、角度をつけたい場合はここで設定をします。ただ、ハッチングパターンは大抵の場合、斜め線で構成されたパターンになっていますので、「0」で特に問題はないと思います。
実際にやってみてから角度を調整しても良いでしょう。
ハッチングしてから角度や尺度を変更したい場合には、オブジェクトプロパティ管理かHATCHEDIT(ハッチング編集)を使いましょう。
…次の手順は「オブジェクトの選択」になりますが、まだまだ続きそうですので続くことにしましょう。