■概要
オートキャド(AutoCAD)のコマンド「ARRAY」は、画面上にあるオブジェクトを配列複写するコマンドです。

「配列複写」とは、要するにX・Y方向のピッチと数量を指定して、一度にたくさんのオブジェクトをコピーするということです。

あるオブジェクトを横に3個で200ピッチ、縦に4個で100ピッチの間隔で複写をする、というような感じです。

このように書いてしまうと、どうしても難しいコマンドみたいな感じがしてしまいますが、実際は全然そんなことはありません。

ここで、分かりやすくする為に、簡単に図示してみましょうか。

まずは配列複写(ARRAY)コマンドを実行する前の状態からですが、オートキャド(AutoCAD)の画面上に四角形が一つだけあります。

ARRAY実行前

この状態から、配列複写によって一気にオブジェクトを増やしてみると、こんな感じになります。

ARRAY実行後

いかがでしょうか。

先程もお話ししましたが、横方向と縦方向にいくつコピーをするのか、そしてその離れ寸法を指定出来ますので、かなり便利な気がしませんか?

やや極端な話をすると、1個のオブジェクトを一瞬のうちに10億個にすることも出来る訳です。
もちろんその前に実用的な限界が来るでしょうけれど…

でも、コマンドの機能だけを考えれば、それくらいのことが簡単に出来るということです。

使い方にもよりますが、ずっとオートキャド(AutoCAD)を使っていれば、このコマンドが重宝する場面がきっと来るはずです。

連続して同じことをすることは、オートキャド(AutoCAD)に限らずコンピュータの得意とするところです。

せっかくの得意分野なのですから、このような処理は出来る限りオートキャド(AutoCAD)にやってもらうようにしましょう。

作図者としては、もう少し複雑なことに頭を悩ませるべきだと思いますので、簡単な繰り返しは基本的にお任せするという考え方ですね。

…と、少々コマンドの概要説明に時間を割きすぎてしまいました。こんなに前置きが長いのも久しぶりです。

ですので、実際にオートキャド(AutoCAD)を使う際に、ARRAYコマンドをどのように使えばよいかについては次回にお話ししたいと思います。