■概要
オートキャド(AutoCAD)の図面範囲を設定するコマンドです。

図面範囲と言っても、オートキャド(AutoCAD)の場合は図面範囲外にも作図が出来ますので、あまり厳密に考えなくても良いみたいです。

ただ、GRID(グリッド)の表示範囲=図面範囲という関係になっていますので、きちんと設定をしないとグリッドが見えないかも知れません。

使用頻度はそれほど高くありませんので、短縮コマンドに設定する必要はないでしょう。

■操作の手順
①コマンドの開始
コマンド待ちの状態であることを確認し、「LIMITS」と入力して「Enter」を押します。

②左下点の入力
モデル空間 の図面範囲をリセット:
左下コーナーを指定 または [オン(ON)/オフ(OF)] <0.0000,0.0000>:


コマンドを開始すると上記のような表示が出ますので、ここで図面範囲の左下点を入力しましょう。

マウスを使用して画面上をクリックしても構わないのですが、どうせなら正確な点を指定したいので、ここではキーボードを使用しての座標入力をお勧めします。

左下の点は原点(0,0)で良いですから、ここではそのまま「Enter」でもOKです。

③右上点の入力
右上コーナーを指定 <12.0000,9.0000>:
左下点を入力(あるいはクリック)したら、今度は右上の点を入力しましょう。

もちろん指定する順番は「左下→右上」ではなくて「左上→右下」でも構わないのですが、どちらでも良いのですから「左下→右上」で良いと思います。

右上の点によって、オートキャド(AutoCAD)での図面範囲が決定される訳ですが、これはどの範囲まで図面を作図していくのかによって全然違うはずです。

厳密に考えていくと、必ず「縮尺」の話にたどり着いてしまうはずですが、ここで縮尺の話を始めてしまうと話が元に戻ってこれませんのでやめておきましょう。

今回はA3サイズで1/1の図面範囲である「420,297」と入力しておきましょうか。

④設定の完了
これで図面範囲の設定は完了です。

オブジェクトが編集されるタイプのコマンドではありませんから、設定が終わっても「何が変わったの?」という感じになってしまいます。

でも、図面範囲は確実に変更されています。
右上コーナーを指定 <420.0000,297.0000>:

試しにもう一度LIMITSコマンドを実行してみて、右上点を指定する際の数値によって設定値を確認することが出来ます。

上記のように(420,297)となっていれば、設定は成功(大げさですが…)です。

■関連コマンド
図面範囲の設定に関連するコマンドは、GRID(グリッド)コマンドでしょう。

先程もお話ししましたが、グリッドの表示範囲はLIMITSコマンドで設定した図面範囲ということになります。

また、この図面範囲によってZOOM(ズーム)コマンドでの数値入力による表示結果が変わってきます。
ただ、これは実際の作業としてはほとんど(というか全く)使用しませんので、覚える必要性は低いでしょう。