前回はハッチングの設定についてお話しをしてきましたが、今回はその続きです。

■操作の手順
①コマンドの開始
②ダイアログBOXの表示
③タイプの確認
④パターンの設定
⑤角度の設定
⑥尺度の設定
⑦ハッチング範囲の設定

前回までで上記の手順まで説明が終わりました。
今回は、2通りあるハッチング範囲の設定方法について、その具体的な方法をお話ししていきましょう。

●内側の点をクリック
線などのオブジェクトで囲まれた範囲の内側をクリックすることによって、ハッチングの範囲を指定する方法です。

内側の点を指定:
「内側の点をクリック」のアイコンをクリックすると上記のような表示が出ますので、そこでハッチングを実行したい場所をクリックします。

内側の点をクリック

クリックをすると、上図のように範囲が点線で表示されます。この点線でハッチング予定範囲を確認しましょう。

この「内側の点をクリック」は何度でも出来ますので、複数の範囲を同時にハッチングすることも可能です。
範囲を全部選択し終わったら「Enter」を押し、ハッチングのダイアログBOXに戻りましょう。

上図の状態でハッチングを実行すると、このようになります。

ハッチング完了

●オブジェクトを選択
ハッチングをしたい範囲を選択する手段として、範囲を囲んでいるオブジェクトを選択する方法です。
オブジェクトを選択:

「オブジェクトを選択」のアイコンをクリックすると上記のような表示が出ますので、ハッチングしたい範囲を囲んでいるオブジェクトを選択しましょう。

オブジェクトを選択

オブジェクトの選択はいくらでも出来るのですが、基本的には「閉じている」必要があります。ハッチングをする範囲ですから、閉じていないと思わぬ結果になってしまいます。

上図のオブジェクト選択は、「内側の点をクリック」と比較する為、あえて閉じていないオブジェクトを選択しています。両者の違いを結果で見てみると、範囲選択の考え方が分かってくるはずです。

オブジェクト選択が終わったら「Enter」を押し、ハッチングのダイアログBOXに戻りましょう。
上図の状態でハッチングを実行すると、このようになります。

ハッチング完了

「内側の点をクリック」と比べて、ハッチング結果は微妙に違っています。これは先程もお話ししましたが、選択したオブジェクトが「閉じていない」ことが原因です。

実際に作業を行う際には、閉じている範囲を選択することをお勧めしますが、これが実際には結構難しいです。
そうした理由から、私は「内側の点をクリック」をお勧めしたいと思います。

あらかじめポリラインなどでハッチングしたい範囲を囲っておいて、それをオブジェクト選択するという方法もあります。

私の知人もその方法を採用していますが、その人の作図したデータを私が修正する場合には、そのポリラインが非常に邪魔に感じてしまいます。

これはもう作図者の好みによる部分が大きいので、どちらか自分に馴染む方法を選んで頂ければ良いと思っています。

次回もまだハッチング関連の話です。今度はハッチングの細かなオプションについてお話しをしていきたいと思います。